私立看護大学卒業後に東京の某急性期病院の看護師として4年間勤務。現在はU-GAKUのスタッフとして、現地の生徒のマネージャーとWebライターをしています。医療の専門知識、フィリピン留学、語学学校の学生マネージャーのキャリア経験を活かした記事を作成できるよう、日々奮闘中です！将来はオーストラリアでアシスタントナースとして働き、世界一周する予定です！
留学したい人
アメリカの看護留学はどのくらいの費用がかかるの？
こんな悩みに答えます。
結論から言うと、アメリカで正看護師になるためにはNCLEXという試験に合格することが必要で、看護留学には約1年間で300～700万かかります。
この記事ではアメリカの看護師の特徴や、アメリカで看護師になるためのステップ、看護留学にかかる費用・必要な英語力を紹介していくので、少しでも気になる方は最後まで読み進めてください。
アメリカで看護師になるために必要なステップ
アメリカの看護留学にかかる費用
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アメリカの看護師の特徴
ここでは、日本と異なるアメリカの看護師の特徴について解説します。
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看護師の仕事が細分化されている
アメリカの病院では日本よりも仕事が細分化されているため、看護師の仕事の内容はより専門的になっています。
例えば、アメリカの正看護師の業務は患者の看護や診療補助と決まっており、日本だと看護師が行っている採血などの他の業務は、専門の担当者が行います。
以下の表は、アメリカの看護に関わる役職と仕事内容をまとめたものです。
用務員（orderly）患者の移送や病棟の清掃
採血士（Phlebotomist）採血
呼吸療法士（Respiratory Therapist）人工呼吸器装着中の患者のケア
食堂スタッフ 食事の配膳
このように、アメリカでは職種が細分化されているため、アメリカの看護師は日本よりもより患者の看護に集中しやすい環境にあると言えます。
医師と対等な立場として扱われる
日本では看護師はあくまで医師のサポート役というイメージが強いですが、アメリカでは医師と看護師は対等な立場として扱われます。
アメリカの正看護師になるためには、NCLEXという国家試験に合格する必要があり、これに合格するためには並々ならぬ努力が求められます。そのため、アメリカの看護師は医師に劣らない専門知識を持っていると考えられており、日常的に医師と患者の看護方針について意見交換を行います。
さらに、経験を積んで正看護師としてキャリアを積むと、医師の治療行為の一部を担当したり、自身でクリニックを開業することが可能になります。例えば、経験を積んで診療看護師（NP）になると、病気の診断や処方箋の発行、一部の治療行為を行うことができます。さらに、自身でクリニックを開業することまでできてしまいます。
アメリカの看護師の方が年収が高い
実は、アメリカの正看護師の年収は、日本の看護師の年収の約2倍もあるんです。
2023年時点で、アメリカの正看護師の平均年収は1237万円。これに対して、厚生労働省の調査によると、2023年の日本の看護師の平均年収は約508万円となっています。
現在の円安の影響もあると考えられますが、それでもアメリカの看護師は日本の看護師に比べて大幅に高い年収を得ていることが分かりますよね
アメリカの看護師の給料は、世界的に見ても高水準であり、アメリカで正看護師になる難しさや需要の高さから給料が高く設定されているようです。
アメリカで看護師になるためには
日本で看護師として働いていた場合でも、アメリカで看護師として働くためには、国家試験であるNCLEXに合格する必要があります。
ただし、日本の正看護資格を活かすことが可能です。
以下で、日本の看護資格を持っている場合と、持っていない場合に分けて、アメリカで看護師になるための手順を詳しく解説しますね。
日本の正看護師資格を持っている場合
STEP1:CGFNSの審査を受ける
看護師の国家試験を受けるためには、まずCGFNS（Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools）という機関の審査を受ける必要があります。
CGFNSでは、簡単に言うと、私たちが日本で受けた看護教育がアメリカの看護師になるために必要な看護教育と同等のものであるかを審査しています。
そのため、基本的には日本の大学での成績や、日本の看護師資格の英訳書類などを提出します。
ただ、アメリカは各50州によって必要な書類が違ってくるので、必ずCGFNSの公式サイトで確認してみてくださいね。
申請してから審査が完了するまでは、平均で6か月ほどかかります。
CGFNSの審査と試験を通過後、Authorization to Test（ATT：受験資格）を取得して、やっと国家試験を受ける資格が取得できます。
STEP2:NCLEX-RNを受験
CGFNSに合格したら、次はNCLEX-RNを受験します。
試験では、3,000問の問題の中から最低85問～150問が出題されます。試験はコンピューターベースで行われ、解答者の正解率によって難易度や問題数が調整されます。
制限時間は5時間で、合格率は約7割程度です。
NCLEXはアメリカでしか受けられないと思いきや、世界中どこでも受験可能です。なので日本だと大阪、東京でも受験できます。
STEP3：ビザスクリーンを受ける
NCLEXに合格したら、Visa Screen (ビザスクリーン)を受けましょう。
Visa Screen(ビザスクリーン)は、アメリカで労働ビザやグリーンカードを取得したい場合に必要になる審査です。
NCLEXの試験合格は前提で、TOEFL、IELTSなどの英語力の証明、日本の大学での成績証明書などを提出します。
日本の正看護師資格を持っていない場合
日本の看護師資格を持っていない方は、まずアメリカの短大か大学で看護学部を卒業する必要があります。
アメリカでは、州によって受験資格が異なり、登録した州と異なる州で働きたい場合は、看護免許を書き換えなくてはいけません。
その手間を避けるために、卒業後に働きたい州の大学に入学するのが良いでしょう。
卒業後は、日本の看護資格を持つ人と同様に、NCLEX-RNの試験に合格することで、やっとアメリカで看護師として働くことができます。
アメリカの大学に通う際には、一定の英語力が求められるばかりでなく、留学生の授業料は高額に設定されていることが多いため、経済面での負担も大きくなってしまいます。
費用が心配な方は、日本で看護師資格を取得してからNCLEXの試験を受ける方が、費用を抑えられるためおすすめです。
アメリカの看護留学にかかる費用
看護留学は、日本で看護師資格を持っているか、現状の英語力などによって留学のタイプと期間が異なります。
たとえば、日本で看護資格を持っていて英語力が不十分な場合、語学学校に通うだけで十分です。
一方で、日本の看護資格を持っていない場合は、アメリカの短大や4年制の大学に通う必要があります。
留学タイプと1年間の学費を以下にまとめました。
留学タイプ 1年間の学費
語学学校 100万~200万
短大 120万~300万
4年制の大学 225万~500万
アメリカは物価が高いため、生活費も高額になります。アメリカの生活費が月に約20万円かかると仮定すると、上の授業料に加えて1年でさらに約240万円が必要になります。
このように、アメリカでの看護留学はどうしても費用が高くなってしまうため、自身の留学の目的を明確にし、事前に費用を含めた準備をしっかりと行うことが重要です。
アメリカの看護留学に必要な英語力
看護留学のタイプによって、必要な英語力が変わってきます。
以下の表で、留学タイプと必要な英語力の目安をまとめました。
留学タイプ 英語力の目安
語学学校 最悪ゼロでもオーケー
短大 TOEFL 45~60点以上
4年制の大学 TOEFL 60~80点以上
日本の看護資格を持っていてNCLEXに合格すればいいだけの場合は、必要な英語力の目安は、TOEIC 725点 / TOEFL iBT 80点以上です。
実際に、NCLEX合格後のビザスクリーンでは、州によって違いますが、大体TOEFL iBT 80点以上が求められます。
アメリカで看護師として働くとなると、英語力が患者の命の問題に関わってくるので、レストランで働くとは違い、やはり高い英語力が求められます。
アメリカの看護留学のまとめ
今回の記事では、アメリカの看護師の特徴から、アメリカで看護師になるために必要なステップ、アメリカの看護留学にかかる費用・英語力までを一挙に紹介しました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます！
いかがでしたでしょうか？
冒頭でもお伝えした通り、アメリカで正看護師になるためにはNCLEXという試験に合格することが必要で、高い英語力が必要とされます。
また、看護留学には約1年間で300～700万と高額の費用がかかります。
特にアメリカは物価が高いため、留学にかかる費用はどうしても高くなってしまいます。
そのため、できるだけ費用を抑えたいという場合は、まずフィリピンなどの安く留学できる国で英語力をアップしてからアメリカでの看護留学に挑戦するというのもひとつの方法ですね。
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