留学したい人
こんな悩みに答えます。
結論から言うと、フィリピンはキリスト教が大多数!
もちろん宗教上の理由で考慮するべきことはありますが、心配しすぎることはありません!
当記事では、フィリピンの宗教や歴史、キリスト教の影響などについてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください!
フィリピンのキリスト教は厳しい?
フィリピンでのキリスト教の影響
キリスト教国家のフィリピンで気をつけること
フィリピンの宗派はなに?
フィリピンの宗派は大多数がキリスト教です!
以下では、フィリピンの宗教について紹介します。
フィリピンはキリスト教国家
まずはフィリピン国内の宗教分布をご紹介します。
実はフィリピンはかなりのキリスト教国家。外務省のデータによると、国民の93%がキリスト教徒で、そのうち83%がカトリックとなっています。
ちなみにイスラム教徒も5%いて、フィリピン人全員にキリスト教が強制されているわけではありません。
とはいえ、アジアでキリスト教国家というのは非常に珍しく、フィリピンのほかには東ティモールくらいしかありません。
フィリピンでは多くの人が日曜日に礼拝にいくのはもちろんのこと、ショッピングモールなどでも毎日決まった時間にお祈りのため1分間アナウンスがあるそうです。
その間は、皆が動きを止めてお祈りをします。欧米のキリスト教国でもそこまでする国はないので、とても信仰に熱心であるといえます。
国教がキリスト教というのはアジアでフィリピンが唯一です。ではいったいなぜフィリピンの宗教がキリスト教になったのでしょうか。
なぜキリスト教なのか
アジア全体の主要な宗教はイスラム教や仏教などです。人口でいえば、インドのヒンドゥー教も主要と言えるでしょう。
つまり、アジア全体で見ればキリスト教徒はそれほど多いわけではありません。それにもかかわらず、フィリピンがキリスト教国家なのはなぜなのでしょうか。それには、フィリピンの歴史が関係しています。
もともとフィリピンは違う宗教を信仰していました。人々は、自然界に精霊が存在していると信じており、自然に向かって、お祈りをするような宗教があったそうです。
13世紀末からはインドネシアからイスラム教徒の入植者も増え、イスラム教が広まっていました。その後、16世紀のなかごろに始まったスペインによる植民地時代に、改宗させられました。そして約330年にわたるスペインの統治時代に、キリスト教が広く浸透していったのです。
迫害されたイスラム教徒の一部はミンダナオ島に逃げ込みました。そのため、現在でもミンダナオ島に限ってはイスラム教徒の割合が20%と高くなっています。そして、フィリピンからの独立を叫ぶイスラム軍とフィリピン政府との間で今でも攻防が続いています。
フィリピンのキリスト教は厳しい?
フィリピンはキリスト教国家であり、生活の中にもキリスト教の影響が色濃く表れています。
以下では、フィリピンがどれだけ厳格なキリスト教国家なのかを解説します。
禁止されていること
- 離婚の制度がない
キリスト教の中でもカトリックでは、離婚が禁じられています。とはいえ、カトリックの影響が強い国でも、離婚ができない国はほとんどありません。
ですがフィリピンには制度として離婚がなく、一度結婚をすると、その人と添い遂げることになります。これは外国人にも適用され、フィリピン人とフィリピンで結婚してフィリピンに住んでいれば、離婚はできません。
ただし日本人がフィリピン人と日本で結婚して、日本に住んでいる場合は、日本の制度に則った離婚が可能です。しかしフィリピン人にとって離婚はタブーと言っても良いほど避けるべきものであることは、覚えておくと良いでしょう。
- 中絶禁止
カトリックでは人工中絶も禁止されています。そのため、フィリピンでは基本的に中絶はできません。
中絶をする方法がないわけではありませんが、法的に認められていないため、中絶をすると医師も女性も罰されます。しかも、法をくぐり抜けて中絶を行っている医者の元では、適切な医療を受けられないため、中絶をした女性が命を落とすようなこともあるのです。
- 避妊もできない
実はカトリックの影響が強い国で、中絶が禁止されているのはフィリピンだけではありません。しかし、避妊まで禁止されているのはフィリピンくらいかもしれません。
中絶もできず避妊もできないとなると、フィリピン人が子沢山な家庭が多いのも頷けます。
そもそも女性たちでさえ、避妊に抵抗感がある人が多く、避妊具を使うのを嫌がります。フィリピン人と恋仲になったときには、この点で揉めることもあるかもしれません。
避妊も中絶もできないという状況から、フィリピンには複数の子供を育てるシングルマザーがたくさんいます。
フィリピンでのキリスト教の影響
フィリピンではカトリック、プロテスタント合わせて国民の約90%がキリスト教徒です。そのキリスト教の文化がフィリピンでの宗教行事として根づいています。
クリスマス(12月24日、25日)
日本のクリスマスは、ただパーティーをするだけのイベントですが、フィリピンでは違います。
フィリピン人にとって、クリスマスは一大行事。なんと、9月頃から、街ではクリスマスの準備をしている風景が見受けられるでしょう。
イルミネーションが点灯したり、クリスマスソングも流れたりするので、街のクリスマスムードは高まります。そしてそのクリスマスシーズンはニューイヤーを通り越して1月6日まで続きます。フィリピンのクリスマスは「世界で一番長いクリスマス」といわれています。
クリスマスイブには大勢が教会に出かけ、25日の0時にはイエス・キリストの誕生を祝うミサが始まります。
フィリピンではクリスマスは家族と過ごす日なので、フィリピンの家族は大家族で親戚も集まり、海外に出稼ぎにいっている人たちも帰ってきて、みんなでごちそうを食べて過ごします。
日本ではクリスマスシーズンは11月頃からですが、フィリピンでは9月から長く続く一大行事なのです!
1年の3分の1はクリスマスのことを考えているほど、フィリピンではクリスマスがとても大事にされているのです。
ちなみにキリスト教の影響が色濃い欧米やラテンアメリカの国々でも、9月からクリスマスシーズンという国はほとんどありません。大体が10月、もしくは11月からクリスマスの用意を始めます。
クリスマスの飾りつけにはフィリピン独特の「パロル」というものがあります。パロルは星形をしたランタンのような、中が空洞の飾り物です。星形をしているのは、イエスが誕生する際に現れた聖なる光を表しているそうです。
休日
- ホーリーウィーク(聖週間);3月~4月頃の間の3日間
ホーリーウィークのMaundy Thursday(聖木曜日)、Good Friday(聖金曜日)、Black Saturday(聖土曜日)の3日間が休日です。カトリックでは、イエス・キリストが復活した日の前の1週間は特別な期間とされています。復活した日は復活祭(イースター)として祝われますが、ホーリーウィークには復活祭前の木曜日、金曜日、土曜日が休日になります。復活祭の日が、毎年春分後の満月の翌日曜日と定められているため、それにともない日付は毎年変動します。
- オールセインツデー(諸聖人の日、万聖節);11月1日
キリスト教での聖人たちと殉教者を記念する日です。
翌日の「死者の記念日」と2日間フィリピンでは帰省してお墓参りをするのが恒例行事になっているので、交通が混雑します。死者の記念日である11月2日も休日になる場合があります。
フィリピンのキリスト教徒には熱心な信者が多く、毎週日曜日には多くのキリスト教徒が教会でのミサに参加します。
街中には多くの教会がありますが、ショッピングモールの中でミサを開催していることもあります。
地方のショッピングモールでは定期的にお祈りのメッセージが流れ、スタッフや買い物客が足を止めて数分間お祈りする姿が見受けられます。
学校では、キリスト教について学ぶ授業が行われたり、授業開始時や食事の前にお祈りするケースもあります。
フィリピンでは毎年夏ごろに大統領府から翌年の祝日休日が発表されるので、年ごとに休日を確認する必要があります。上記の、キリスト教由来の休日のほかにもたくさん休日があるので、語学学校などの休日に注意しましょう。
キリスト教国家のフィリピンで気をつけること
フィリピンで宗教上気をつけなければならないことはなんでしょうか。
以下では、フィリピンで気をつけた方が良い行動について紹介していきます。
気をつけた方がいいこと
- 信仰を否定することは言わない
当たり前のことですが、信仰を否定するようなことは絶対言わないようにしましょう。
神様の存在を否定したり、キリスト教由来の習慣を否定したりすることは、たとえ小さなことであってもやめておきましょう。
冗談でも、フィリピン人たちの信仰を否定するようなことは言わないようにしてください。フィリピン人でも信仰心の強さは人によりますが、かなり厳格なキリスト教徒も多いため、くれぐれも注意するようにしましょう。
- 宗教の話はしないのがベター
日本人は無宗教な人が多いので、そもそもフィリピン人のキリスト教に対する信仰心をよく理解できないかもしれません。
その目線から宗教の話をすると、相手を不快な気分にさせてしまうおそれもあります。
ですから、無駄なトラブルを避けるためにも、そもそも宗教の話はしないのがベターです。相手から自分の宗教をきかれたときに限り、答えるだけにとどめておけば、トラブルにはならないでしょう。
- 離婚や中絶に関する話はタブー
フィリピンでは離婚や中絶に関する話は避けることをおすすめします。
特に、フィリピン国内の状況について、中絶や避妊が禁止されているからどうこうという話はしないようにしてください。
自分が離婚経験があるという程度の話なら、それほど問題にはなりません。フィリピン人たちも、他の国々では離婚の制度が存在していることを知っているからです。また、日本人がキリスト教徒ではないこともわかっているでしょう。
しかし離婚や中絶、そして避妊の話に絡めて、フィリピンの話をしてしまうと、相手を怒らせてしまう可能性があります。くれぐれもやめておきましょう。
まとめ
今回の記事では、まずフィリピンの宗教や歴史について述べ、禁止されていることや現地で気をつけた方が良いことなどについて紹介しました!
キリスト教がフィリピンの文化や習慣に大きく影響を与えていて、祝祭日にもその影響が多く表れています。
距離的に近いフィリピンと日本でもたくさん違う文化がありますので、現地の宗教文化に気を配るようにするとよいでしょう!
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