
社会課題に直接触れることで視野を広げ、現地の子どもたちとの交流を通して「人の豊かさ」を再発見したセブ島インターン。挑戦と学びに満ちた日々が成長の糧となりました。
名前:R.Tさん
年齢・属性:大学3年生
参加プログラム:セブ島の起業体験インターンシップ
期間:12日間
参加時の英語力:初級
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このインターンシップに参加した1番の理由は、スラムや孤児院を訪問できるという、他にない貴重な経験ができるということです。一般的な留学やインターンシッププログラムでは滅多にないこの経験は、社会の現実を肌で感じ、深く考えるための重要なステップになると考えました。
また、単なる学習だけでなく、アクティビティが充実している点も魅力的でした。特に、海洋生物に強い関心がある私にとってジンベエザメと一緒に泳ぐという体験は非常に興味深く、座学では得られない感動や学びがあると感じました。
そして、大学2年生で海外インターンシップに挑戦することで、他の学生と差をつけたいという思いもありました。
グローバルな視点を養い、実践的なスキルを身に着けることは将来のキャリア形成において大きなアドバンテージとなると考えました。

私は2025年8月3日〜14日にフィリピン・セブ島へ滞在し、4日〜13日までU-GAKUの海外インターンシップに参加しました。地域活動やフィールドワーク、企画制作など幅広い経験を積みました。
4日はアイランドホッピングで島の生活を見学し、パラセーリングやバナナボートでセブの海を満喫。5日は孤児院「アニャズホーム」を訪問し、子どもたちとごみ拾いを行いました。
大量のごみや匂いに衝撃を受けつつ、住民の温かさにも触れました。6日は水上スラムで野菜入りお粥を調理し、子どもたちに配布。限られた環境でも笑顔を見せる姿が印象的でした。
7日〜11日はメインの企画制作に取り組み、仲間と協力して事業提案を完成。13日に発表しました。12日はシュノーケリングやジンベエザメとの遊泳、キャニオニングを体験し、特にキャニオニングは研修で最も印象に残りました。
研修先は複数人部屋や共同リビング、共有の浴室・トイレを備えた大きなシェアハウスのような施設で、主に語学留学に来ている学生が多く、小学生から高齢の方までいて交流しやすい環境でした。
ただ、生活環境には日本と異なる点も多くありました。トイレットペーパーを流してしまってトイレが詰まってしまうことがあったり、水道の水漏れで床が水浸しになったりすることがありました。また、スコールの影響で停電することもあり、現地の生活の厳しさを感じました。

セブ島といえばリゾート地のイメージが強かったのですが、実際に現地を訪れてみると、観光地の裏側には貧困や衛生環境の課題を抱える地域が多くあることを知りました。スラム街や孤児院での活動を通して、豊かさと厳しい生活環境が隣り合わせに存在している現実を強く実感しました。しかしその中でも、子どもたちの笑顔や地域の人々の優しさ、助け合いの文化に触れ、人の豊かさは物質面だけで測れないことも学びました。
また、異文化の中で生活し、参加者同士で企画制作に取り組む経験を通して、自分の柔軟性や行動力の重要性を再認識できました。今回の研修は、リゾート地というイメージだけでは見えない現地の姿を知り、自分自身の価値観を広げる貴重なきっかけとなりました。
5日間にわたる事業企画制作、発表まで仕上げる作業が大変でした。このプロジェクトは社会問題についてチーム全員でゼロからアイデアを出し、メンターからの厳しいフィードバックを受けて修正を繰り返すことの連続でした。時間の制約もあり、毎日朝から夜まで作業し続ける日々は、体力的にも精神的にも負担が大きかったです。
さらに、作業環境が共同生活のリビングであったため、集中しにくく気持ちの切り替えも難しく感じました。途中でカフェやプールなどの場所に出かけることで気分転換を図りながら作業を進めましたが、メンバーの意見の違いをまとめることや、何度も練り直しを求められるプレッシャーは大きな壁でした。
しかし、この過程で妥協せずにアイデアを形にしていく難しさや、メンバー同士の役割分担・話し合いの重要性を学ぶことができました。最終的に発表までやり遂げ、他チームに勝ったことで、苦労した分だけ達成感を強く感じられる経験となりました。

滞在中は3人部屋で生活しました。ルームメイトの1人は語学留学で来ていた子で生活リズムが異なっていたため、朝や夜は起こさないように気を使いながら過ごしました。食事は施設に隣接する「サクラカフェ」から提供され、毎食バランスが取れていて美味しかったです。ハウスメンバー全員で一緒に食事を楽しむ機会もあり、外食やデリバリーも取り入れながら、食事の時間は交流の場となりました。
また、大学生以上は行動の制限がなかったため、友人とショッピングに出かけたり、夜遅くに出歩いたり、みんなでお酒を飲んだりと、自由度の高い生活を送ることができました。高校生のメンバーとも一緒にトランプやUNOをしたり、映画を見たりして、年齢を超えた交流を楽しめました。
このような共同生活を通して、異なる生活習慣を持つ人たちと気遣いながら暮らす力や、仲間との距離を縮めるコミュニケーション力を養うことができました。
研修以外の場面でも、多くの学びがありました。まず、コンビニに行くと頼んでいないのに子どもがドアを開けてくれ、その代わりにチップをねだってくることがありました。日本では考えにくい光景で経済格差の一端を実感しました。また、スラム街では英語が通じない人も多くタガログ語しか話せない人もいたため、言語の壁を強く感じました。
交通事情についても大きな違いを学びました。セブ島では車線があまり機能しておらず、直進していても車が横切ってきたり、クラクションが常に鳴り響いたりしました。バイクの数も非常に多く、日本のように「思いやり」をもって運転していたら前に進めない環境だと感じました。
電車やバスはなく、近場の移動手段はジプニーが一般的で、観光客の多くはGrab(配車アプリ)を利用していました。また、物価は安い一方で賃金も低いためか、店員が携帯を触りながら接客するなど、日本と比べるとサービスの質に違いが見られました。それでも、全体的に人々はフレンドリーで、助けてくれる人が多く、人の温かさを強く感じました。
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特に感じたのは、タガログ語の簡単な挨拶や単語を少しでも学んでおけばよかったということです。現地の人は必ずしも英語を話せるわけではなく、スラム街などではタガログ語しか通じない場面もありました。せめて簡単な言葉でも使えれば、もっとスムーズに交流ができたかなと感じました。生活面でも、体調を崩した時のために薬をもっと種類豊富に持っていくべきでした。実際にお腹を壊した時、整腸剤はありましたが吐き気止めがなくてとても大変でした。
また、食事が口に合わないことや、夜中に小腹が空くこともあったので、日本のインスタント味噌汁や軽食を多めに持っていけばよかったと思います。
セブ島での研修は、普段の生活では得られない体験ばかりでとても貴重な時間になりました。活動を通して現地の社会問題や文化の違いに触れることで、多くの気付きを得られますし、企画制作を通じて自分の考えを形にする力も養えます。生活面では共同生活になるので、協調性や気配りも大切です。言葉の壁もありますが、失敗を恐れずに挑戦すれば必ず人とのつながりが広がります。
セブ島はリゾートのイメージが強いですが、その裏にある現実や人々の生活を知ることで、きっと価値観が大きく変わると思います。少しでも興味がある人は、ぜひ勇気を出して参加してみてください。必ず自分の成長につながります。