留学参加を決めた理由は、娘本人の強い希望でした。中学2年生の4月から不登校になり、「本人がやりたいことだけをやらせてみよう」と家族で話し合った中で、唯一やりたいと言い続けていたのが留学でした。
英語は得意とは言えず、むしろ苦手意識の方が強い状態でしたが、留学前から「海外で働きたい」「日本を出たい」という夢を持っていました。今の状況が少しでも良くなるならという思いと、「娘ならきっと逞しく成長して帰ってくる」と信じる気持ちの方が強く、参加を決断しました。
正直、不安がなかったと言えば嘘になります。不登校の期間もあり、親としては環境が大きく変わることへの心配はありました。それでも、娘自身が自分でインターネットで調べ、「行きたい」と強く希望していたことが大きかったです。不安よりも「今の状況を変えるきっかけになれば」という思いの方が勝っていました。
セブへ迎えに行った際、急きょ一緒にホテルへ泊まることになり、英語が話せない私たち両親の代わりに、娘がフロントの方と交渉してくれました。
留学前はほとんど話せなかった娘が、現地の方と自然に会話している姿を見て、本当に驚き、感動しました。
留学中は年上の方と接する機会が多く、帰国後は学校の先生ともハキハキと話せるようになりました。また、学校にも留学先にも、尊敬できる人もいればそうでない人もいることを知り、「どこの世界にもいろいろな人がいる」ということを学んだようです。英語力の向上だけでなく、自分で考えて行動する力、人との距離の取り方など、精神面での成長を強く感じています。
留学は英語を学ぶ場であると同時に、子ども自身が自分と向き合い、世界を知る大きなきっかけになると思います。
娘は今回の留学で、「自分に何が足りないのか」「これから何を勉強しなければいけないのか」がはっきりしました。夢に向かって、自分で考え、コツコツ努力してほしいと親として願っています。不安はもちろんあると思いますが、それ以上に得られるものは本当に大きいです。留学を通して、子どもが一回りも二回りも成長する姿を見ることができると思います。